記事より

損害保険大手各社は、来年10月から、事故を起こしたドライバーの自動車保険料を大幅に上げる方向で調整に入った。いまの制度に比べて、最大5割超の値上げ。事故防止と自動車保険事業の収支改善がねらいだが、事故を起こした人にとっては厳しい制度になる。

■最大5割超「二重の値上げ」

 新しい制度では、事故を起こした人については、事故後3年間は通常よりも保険料を割高にして、「ペナルティー」を科す。事故を起こすと、等級が下がるだけではなく、特別に高くした保険料が適用されるため、ドライバーにとっては「二重の値上げ」になる。

 たとえば、20等級で年5万円の保険料を払っている人が事故を起こすと、17等級に下がる。いまの制度だと翌年の保険料は5万8108円になるが、新制度だと8万3783円と、4割以上の値上げになる。いまの制度と比べた値上げ率は等級ごとに異なり、最大は51%。

 無事故を続ければ、4年後には、通常の保険料に戻る。だが、3年間のうちにまた事故を起こすと、「ペナルティー期間」がさらに3年延長され、計6年間になる。3度目の事故を起こしても、6年を超えるペナルティーは科さない。

 新しい等級制度は、損保各社が加盟し、保険料率の目安などを示す「損害保険料率算出機構」が昨秋に公表。あとは損保各社がいつから導入するかが焦点になっていた。